エジプト紀行 ⑦

アスワンから約300キロ南に下ったヌビア地方、スーダンとの国境に近い所にアブ・シンベル神殿はある。ラムセスⅡ世の栄光と威信、それをヌビア人ら後世に伝え誇示する為に建てられた壮大な岩窟神殿である。ナセル湖により水没の危機にさらされたとき神殿救済にユニセフ始め世界中が協力し救われた。この動きが後の世界遺産制定に繋がった。
 大小の神殿を60m上方台地に移設した。神殿と周囲前面岩壁をブロックに切り出し二つのコンクリートドームに移しそれを砂土で埋め、前面を元の岩盤で再現修復している。それらの壮大な事業は入場口で写真展示されている。
 
 早朝食事前に朝日に当たる神殿を観に出かける。大神殿入り口から65mほど中に入った岩山中心部に至聖所がありラムセスⅡ世とプタハ、アメンラー、ハルマキスの三神の像が一緒に置かれている。ここが「太陽の奇跡」が起こるところで、年に二回冬至と夏至の朝日が至聖所まで差し込み座像を照らし出す。アメン、ハルマキスそしてファラオの像を順に照らす。しかしプタハ神には光は当たらない。これはプタハ神が闇の神であるからだという。
 私たちは幸運にもその日の一つに遭遇することになり、ナセル湖に上る日の出と共に神殿内を照らしだす朝日を観る事ができた。
 朝日に照らされる大神殿とファラオ最愛の妻ネフェルタリ妃のための小神殿を眺め、神殿裏側を観て廻りホテルに戻った。

 朝食後再度バスのコンボイを組みアスワンへ向かう。途中アスワンハイダムを見学する。ここも観光客相手に入場料20LEをしっかりとっていた。
 アスワンハイダムに使われた石はクフ王ピラミッド17個分にのぼるという。水没による犠牲はあったであろうが、治水、利水、発電とエジプト社会に果たした役割は大きいダムである。大小の遺跡へのケアーも良くなされ、それらが観光に生かしているのは凄いと思う。
 次にアスワンの花崗岩石切り場の、切りかけの未完のオベリスクを観る。長さ42m、重さ1150tと、完成していればエジプト一番の大きさとなるというもの。当時の道具の堀跡も残り石工職人の技の高さと苦労が偲ばれた。切り出し途中の様が見られこれもまた美しい。ここにもエジプト野良君達が見られた。

 夕刻アスワン駅から寝台列車「アベラ」ツイン個室に乗りカイロ・ギザに向かう。座席は折りたたみで二段べッドとなり、蓋付きの洗面台、折りたたみテーブル、共同トイレ(停車中は使用不可)などがある。車掌がべッドつくり、朝晩の食事を運んでくれる。チップを渡す。明朝6:30までの夜行の旅、止まる度に眼が覚める。停車駅には深夜にもかかわらず多くの旅客が見られた。ひとっこ一人いない寂しい駅というのが無い。
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