日米同盟の深化を問う

普天間基地移設は海外しかない

普天間基地の移設問題。鳩山民主党政権はその落とし処をどこに持っていこうとしているのだろうか? この移設問題は単なる移設のための代替地探しというようなものではなく、米軍再編の中で在日米軍をいかに恒久的に効率的に深化、強化、定着させるかの取り組みの一環として見る必要がある。
鳩山新政権も日米同盟は重要でその深化は既定のこととして公言している。日米安保50年のこの年、その変質化、多くの矛盾、問題を抱えた日米安保条約を、なんら再検証のテーブルに乗せることなく深化を口にし、見直すとは云わないのだ。

日米安保で日本はアメリカに守ってもらっている。用心棒をやってもらっているのだから、感謝しなければならない。そのために基地も提供し、思いやり予算も提供しなければならない。米軍の為、自衛隊は協力、支援しなければならない。兵器、装備はアメリカから買い、補充もメンテナンスもその仕様もアメリカに従わねばならない。守って頂いているのだから。
歴代日本政府は日米安保、日米同盟機軸は論議の余地の無い与件としてきた。、国民にそう思い込ませてきた。政権が代わってもそれは変わる事はないようだ。
私たちはこれまであまりの対米従属政策に辟易し対等な日米関係を求め政権交代にその脱却と可能性を求めたのでもあるが、どうも新政権にその気が無いのか変化の兆しが見えない。旧態依然とした外交姿勢しか見えてこない。移設先探しの議論ばかりで、何故米軍基地、海兵隊基地が必要なのか、日本に無ければならぬのかの議論がないのだ。

アメリカ側から視て見よう。アメリカは戦後日本を武装解除し、占領後も米軍を駐留させ、東西冷戦構造に於ける極東の前線基地として日本を利用する為に日米安保条約を結んだ。日本を守る為という便宜上の理由を付けて前線米軍基地を確保した。
二度とアメリカに楯突かせないようまず日本の軍国主義を押さえ、民主主義を植えつけた。その基本理念が日本国憲法である。改憲派はそれを押し付け憲法というのであろうが、アメリカと日本の頭脳の合作と言うべきで時代の要請でもあった。国民はもう二度と戦争はこりごり、自由にものが言え活動できる民主主義、平和憲法を解放の喜びと反省と共に受け入れたのである。それとは別にアメリカは、着々と言いなりになる傀儡政権を日本に作り、自由に使える日本の基地を持ち、やがて米軍支援の為の軍備(警察予備隊)も復活させ、自衛隊として強化してきた。更に駐留経費まで日本側に出させるまでに至ったのである。
日本防衛は名ばかりで、極東の安全、今ではインド洋、中東、世界の安全保障のために米軍再編計画に基ずく中枢前線基地として日米安保条約は変質し機能してきたのである。
自衛隊は米軍の下、共に戦う軍隊として増強されてきた。そしてアメリカはその為には憲法9条が今では邪魔となり、堂々と軍備を持って戦争の出来る国に変える為、アメリカの戦争に参加できるようにする為に改憲を企んでいるようである。
日本軍国主義を押さえ込みアメリカの下僕とする当初の目的を達成した今日、憲法9条は用済みでありむしろ邪魔な存在となった。 アメリカは日本の憲法を変えたがっており、それに応え便乗しようとしているのが自民、民主らの改憲勢力なのである。

外国の基地を此れほど手厚く受け入れている国は先進国で他に例を見ない。こんなに至れり尽くせりで米軍基地を受け入れている国は他にない。
無料で広大な基地を提供し、施設を提供し、時間かまわず自由に使わせ、おまけに駐留経費まで出している。電気、ガス、水道使い放題。基地労働者の給料まで日本が払っている。米軍にとって不便で危険な普天間基地の代わりに辺野古に新しい滑走路2本と軍港付きの基地まで作ってくれて、おまけにグアム基地への移転費用、基地建設費用まで出してくれるのだ。
更に日米地位協定で米兵、軍属、家族は法的に守られており、御国より極めて優遇された別天地のような基地なのである。こんな美味しい海外基地をアメリカが手放すはずがない。
ことほどかようにアメリカにとって都合のいい、美味しい日米安保条約であり日米同盟なのである。

そんな日米同盟を新政権は、見直すどころか更に深化させようとしている。日米不平等条約を更に深めようというのである。
何のための政権交代なのか?そんな不平等条約を改める為に、アメリカ追従、属国政策から脱却する為に国民は新政権を選びやっと此処まで来たのに、そのチャンスをみすみす逃すのであろうか?

いったい普天間基地移設の落とし処はどこなのか?
私は国外移設しかないと、あくまでそう主張すべきだと思っているが、風聞によると国内のどこかの自衛隊基地の中に分散して持って来るような気配だという。此れならつじつまが合い一応丸く収まる。アメリカは日本の費用で自由に使える基地が確保できればいいのであり自衛隊との連携もしやすくなる。各自治体や社民党も、国内の自衛隊基地内では反対もしずらい。アメリカにとって日本各地の基地恒久使用と自衛隊の米軍への編入の道が開け、渡りに船なのかもしれない。
五月までに答えを出すと政府は言うが、日本の針路が大きく左右される大変な決定となると思われる。
このままでは、とんでもない日米同盟の深化となるのかもしれない。
日米同盟は見直されねばならないと思う。


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