危機に乗じる改憲勢力

ウクライナの悲惨な戦争、ロシアの武力侵攻は断じて許されない!
そこで私達は何を学ぶのか? 反戦平和の立場を取るのか、軍事強化を叫ぶのか? それが今問われている。


本日4月21日、自民党が「国家安全保障戦略」等の改定に向けて、実質的な敵
基地攻撃能力の保有や防衛費の対GDP比2パーセントをめざした拡大を政府に求
める提言をとりまとめました。

敵基地攻撃能力を改称「反撃能力」に 5年以内に防衛費2% 自民党が提言案了承
(4月21日、産経)
https://www.sankei.com/article/20220421-OXMBEPMYKNJYBIXOJY3ETQUZGI/

これは、憲法の原則を逸脱し、戦争への危険を高める提言であることから、全
国の大学教員や平和団体関係者ら20名が連名で、この提言に抗議する緊急声明
を発表しました。

その全文および20名の連名者リストは以下の通りです。

自民党は月内に岸田首相にこの提言を提出すると報道されています。そこで、
皆さん、是非この緊急声明に賛同してください。賛同者を広く募り、自民党及
び政府に向けて提出していく予定です。

◆賛同してくださる方は、以下のフォームより登録してください。

第1次締切 4月26日(火)18:00
https://forms.gle/g7QVUqmTQLfD9y5b6

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【緊急声明】
憲法の原則を逸脱し戦争への危険を高める自民党「安保提言」に抗議する
https://www.facebook.com/heiwakosoken/posts/5759069647442239

 今年末までに予定されている「国家安全保障戦略」など安全保障関連の3文
書の改定に向け、自民党が本日提言をとりまとめた。その内容は、日本の平和
憲法の原則を逸脱した、戦争への危険を高める軍拡政策の提言といわざるをえ
ない。

 第一に、実質的な敵基地攻撃能力の保有を提言している。このたび弾道ミサ
イル攻撃等に対する「反撃能力」という名称が付けられたが、党内議論の経緯
からして、これが敵基地攻撃能力のことを意味するのは明らかである。提言は
さらに、攻撃の対象を「ミサイル基地に限定されるものではなく、相手国の指
揮統制機能等も含む」としている。こうした攻撃能力を持つことは、日本が憲
法の下で防衛の基本政策としてきた専守防衛を事実上反故にするものである。
提言は、これが「専守防衛の考え方の下」にあると強弁しているが、実際には、
日本による先制攻撃に限りなく近づくきわめて危険な政策といわざるをえない。
攻撃力をもつことで、ミサイルの脅威がなくなるわけでもなければ、敵ミサイ
ルの飛来を完全に阻止できるわけでもない。日本がこのような攻撃態勢をとれ
ば、相手国も当然同様に反応をするだろう。いたずらに地域の軍事的緊張を高
め、日本が攻撃される可能性をむしろ高めるものである。

 第二に、防衛費を「対GDP比2パーセント以上」という目標を念頭に5年以内
に拡大すると提言している。すなわち、防衛費を倍増させようという宣言であ
る。日本がこのような軍拡姿勢をとることは、アジアにおける軍備競争を加速
させるものである。そもそも、防衛費の増額を政治目標として掲げるという姿
勢じたい、効果的な防衛・安保政策を追求することとは相容れない。これまで、
政府と防衛産業の契約や米国からの兵器導入において、さまざまな浪費や不透
明性が指摘されてきた。これらを正すことが先決である。

 第三に、防衛装備移転三原則を見直し、侵略を受けている国に対しては「幅
広い分野の装備の移転を可能とする」との言い方で、殺傷能力を持つ兵器の提
供も検討するよう求めている。これは、日本が憲法の下で維持してきた武器輸
出管理政策の根幹といえる「紛争を助長しない」という原則を放棄するもので
ある。恣意的な解釈で歯止めが利かなくなる可能性がきわめて高い。日本が輸
出する武器によって人々が殺傷されるような事態が起きることは、受け入れが
たいものである。

 こうした軍拡政策を、ロシアによるウクライナへの侵略戦争で人々が不安を
抱いているのに乗じて提案することは、きわめて扇動的で挑発的な行為である。
抑止力の強化という名目でとられるこうした政策は、実際には、日本の平和主
義に対する不信を生み、周辺国を軍事的に刺激し、結果として戦争の危険性を
むしろ高めるものである。

 2年以上続くコロナ禍により、世界各国と同様、日本の社会・経済は疲弊し
ている。医療や福祉の拡充や、格差や貧困への対策こそが急務である。ウクラ
イナにおける戦争の長期化は、さらなる社会的・経済的悪影響をもたらしかね
ない。今、お金は武器にではなく、人々にこそ回さなければならないはずだ。

 与党自民党がこのような提言を出したことは、政府による安保政策改定に大
きな影響をもつだろう。しかし今、日本に求められているのは軍備競争を煽る
ことではなく、周辺諸国との相互的な軍縮や緊張緩和のための外交であり、国
連を中心とした国際法秩序の回復のための努力である。今回の自民党提言を所
与のものとせず、平和憲法に基づく外交・安全保障の基本に立ち返って、与野
党による幅広い視点から冷静な議論を求めるものである。

2022年4月21日

秋林こずえ(同志社大学教授)
阿部浩己(明治学院大学教授)
雨宮処凛(作家・活動家)
池内了(名古屋大学名誉教授)
伊藤和子(弁護士・ヒューマンライツナウ副理事長)
内海愛子(早稲田大学平和学研究所招聘研究員)
岡野八代(同志社大学教授)
奥本京子(大阪女学院大学教授)
川崎哲(ピースボート共同代表)
清末愛砂(室蘭工業大学教授)
栗田禎子(千葉大学教授)
志田陽子(武蔵野美術大学教授)
杉原浩司(武器取引反対ネットワーク[NAJAT]代表)
田中煕巳(日本原水爆被害者団体協議会代表委員)
中野晃一(上智大学教授)
西川純子(獨協大学名誉教授)
菱山南帆子(許すな!憲法改悪市民連絡会事務局長)
松井芳郎(名古屋大学名誉教授)
水島朝穂(早稲田大学教授)
元山仁士郎(「辺野古」県民投票の会元代表・一橋大学大学院博士課程)
(50音順)

<連絡先>
平和構想研究会 shudantekijieiken@gmail.com
https://www.facebook.com/heiwakosoken
https://www.facebook.com/heiwakosoken/posts/5758592777489926
※「集団的自衛権問題研究会」を引き継ぐ形で2021年10月に発足

◆この緊急声明への賛同者を広く募っています。賛同してくださる方は、以下
のフォームより登録してください。
<第1次締切 4月26日(火)18:00>
https://forms.gle/g7QVUqmTQLfD9y5b6


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